乳幼研オリジナルペープサートを手作りしてみましょう。
初心者の方に向けてわかりやすく解説します。

ペープサートの作り方
紙でできた小さな人形たちが、手の中で動き出す…。
ペープサートは、先生の手を通して広がる、魔法のような“おはなしの世界”です。
紙人形に棒をつけて、手で持って動かすことで、まるで小さな舞台のようにおはなしを演じることができます。
材料は身近なもので完成するので、はじめてでも簡単に作れます。
用意するもの
- 印刷した絵人形の用紙
- 棒(平棒・割りばし・ひご など)
- 透明テープ
- 両面テープ
- はさみ または カッター
用紙は画用紙など厚みのある印刷用紙の使用をおすすめします。
作り方
❶ 絵人形を切り取る
印刷した用紙を、線にそってカットします。
はさみでもカッターでも、お好きな方で。
切り取った絵人形をラミネート加工すると、くり返し使うことができます。
❷ 裏に棒を貼る
絵人形の裏面に、透明テープで、しっかりと棒を貼りつけます。
棒は平棒・割りばし・ひごなど、身近にあるもので大丈夫です。
❸ 両面の人形は貼り合わせる
A・B両面に絵がある場合は、折り線で半分に折り、両面テープでぴったり貼り合わせます。

ちょっとした工夫
- 接着剤を使うときは、水分を含まないテープのりやスプレーのりが◎
- 片面だけの人形は、裏面に厚紙を貼るとしっかりして、長く使えます。
ペープサートが完成したら、人形たちがよりいきいきと見えるように、小さな舞台を用意しましょう。まずはケコミを作ってみましょう。
ケコミの作り方
ケコミ(蹴込み)とは、舞台の手前に立てるついたてのようなものです。客席から演者の手元や、裏側に置いたねんど台が見えないようにするために使われます。観客が物語に集中できるようにするための工夫です。
用意するもの
- 板ダンボール
- 色画用紙
- 両面テープ
- 幅広の透明テープ
- はさみまたはカッター
作り方
❶ 板ダンボールをカットする
高さ 約8㎝×幅 約80㎝を1枚・高さ 約8㎝×幅 約15㎝を2枚カットします。
おはなしに合わせて、大きさを調整しましょう。
❷ ダンボールを貼り合わせる
❶ でカットした長いダンボールの両脇に短いダンボールを並べ、それぞれ幅広のテープで留めます。
❸ 色画用紙を貼る
おはなしに合わせて色を決めたら、ダンボールに両面テープで色画用紙を貼ります。
たとえば、山や森のお話ならグリーン系、水辺のお話なら水色などがおすすめです。

ケコミが完成したら、人形を立てるためのねんど台を作りましょう。
ねんど台の作り方
ねんど台とは、おはなしに合わせてペープサートの人形や背景を立てるための台です。牛乳パックで簡単に作れます。
用意するもの
- 牛乳パック
- はさみ
- 幅広の透明テープ
- 油ねんど
作り方
❶ 牛乳パックを切る
はさみで側面を切り取り、箱状に組み立て、幅広の透明テープで閉じます。
❷ 油ねんどを入れる
牛乳パック1個につき油ねんど2個がおすすめです。

ペープサートの舞台の作り方
ペープサートの舞台があると、人形を立たせることができたり、さまざまな舞台演出が出来たりとおはなしの世界観をより豊かに広げることができます。テーブルにかける布の色をおはなしの内容に合わせて選べば、背景の演出にもなりますし、見る人の想像力もよりふくらみます。
用意するもの
- 机
- テーブルクロス(布)
- ケコミ
- ねんど台
- 養生テープ
作り方
❶ 机にテーブルクロスをかける
机の脚が見えないように、淡い色合いの布やクロスをふんわりとかけましょう。
舞台の背景にもなり、やさしい雰囲気を演出してくれます。
❷ケコミを置く
テーブルの上に置いたら養生テープなどでしっかり留めます。
❸ねんど台を置く
ケコミの裏にねんど台を置きましょう。
おはなしに合わせて置く場所を調整します。

舞台の右と左について
観客の方から見て、
- 右側を「上手(かみて)」
- 左側を「下手(しもて)」 と呼びます。
おはなしの流れや演じる方向を考えるときに、ちょっと覚えておくと便利です。
まとめ
ペープサートを手作りすることで作品に愛着が沸くでしょう。さらに演じてみると「次はどうなるの?」など、子どもたちが想像力を働かせながらお話の世界を楽しむ姿がみられます。保育者が子どもの反応を受け止めながらストーリーを楽しむことで、子どもと保育者とのかかわりが深まります。
どうぞ気負わずに、日々の中に「ちょっとしたペープサートの時間」を取り入れてみてくださいね。
子どもたちの目がキラキラと輝き出す瞬間に、きっと出会えるはずです。