エプロンシアターを手作りしてみたいけど、ステッチの名前を見て「なんだか難しそう…」と思っていませんか?
この記事では手作り初心者の方に向けて基本的なステッチ(縫い方)をやさしくご紹介します。
細かい決まりにこだわらなくても大丈夫!
ご自身がやりやすい方法で、楽しく作ってみてくださいね。
作品づくりのヒントになればうれしいです。

ブランケットステッチ
特徴
布の縁をかがるためのステッチで、糸がフチに沿って並ぶのが特徴です。見た目もかわいく、フェルト人形のとじ合わせによく使います。
刺し方
- 布の端から少し内側に針を出します。
- 上から布の端に針を入れ、糸を“輪”にして引き抜きます。
- 糸が角を囲むように出て、L字の形になります。
- 以降は、等間隔で同じように繰り返します。

・糸は必ず針の下を通して、上に向かって引くとキレイに仕上がります。
・縫い目の間隔と高さをそろえると、仕上がりがぐっときれいに。
・角を曲がるときは、同じ場所に2回ステッチしてバランスを調整します。
活用ポイント
✔︎ 綿を入れた人形を縫い合わせる時に
✔︎ フチを飾るのにぴったり
✔︎ 目立つ色の糸で縫うとデザインのアクセントにも!
巻きかがり縫い
特徴
布の端をくるくる巻くようにして縫う方法です。ブランケットステッチよりも目が細かく、フェルト同士をしっかりとじたいときに便利です。
刺し方
- 布を2枚重ねて、針を裏側から通して表に出します。
- 針を同じ方向に進めながら、布のフチを斜めにくるっと巻くように針を通します。
- 常に布の端を巻くように、同じ動きを繰り返します。

・糸は布の端を斜めに巻くようにかけていきます。
・縫い目の角度や間隔をそろえると、きれいな仕上がりに!
・糸を引きすぎず、ふんわりと巻くようにすると形が崩れにくいです。
活用ポイント
✔︎ 綿を入れた人形を縫い合わせる時に
✔︎ 手縫いの温かみが感じられる見た目
✔︎ 縫い目をデザインとして活かせる
アウトラインステッチ
特徴
針を少しずつ重ねながら進むことで、線の下に“影”のようなラインができ、柔らかな立体感が出ます。太めの線の表現や輪郭線、カーブの表現に向いています。
刺し方
- 針を布の裏から表に出します。
- 少し先に針を入れ、裏から半分くらいの位置に出します。
- 以降は、常に「前の針目の出口のすぐ下」に糸が通るように繰り返します。

※ 針を出す位置は前の針目と重ならないように少しずつ前にずらします。
※ 指す時、糸は常に同じ側(例:上側)にまとめると、きれいなアウトラインになります。
活用ポイント
✔︎ キャラクターの口などの太めの線におすすめ
✔︎ カーブや柔らかな表現に強い
✔︎ 糸の太さを変えると表情も変わります
ランニングステッチ
特徴
シンプルで基本の縫い方。「ぐし縫い」「なみ縫い」とも呼ばれます。
針を「表→裏→表→裏」と交互に通して、等間隔の点線のような縫い目を作ります。まっすぐ縫いたいときや、仮止めにも使われます。
刺し方の手順
- 針を布の裏から表に出します。
- 少し先に針を入れて、また裏から表へ。
- この動きを繰り返していきます。

活用ポイント
✔︎ 一番基本のステッチなので初心者にもおすすめ
✔︎ 直線・曲線どちらにも使える
✔︎ 表現にやさしいリズム感が出る
ストレートステッチ
特徴
はじめてさんにもやさしい、基本の刺し方。まっすぐに糸を通すシンプルな縫い方で、縫い目の長さや向きを変えることで、十字や格子模様などさまざまな模様が作れます。
刺し方
- 針を表に出します。
- 刺したい長さのところに針を入れます。
- これを繰り返して、好きなラインを作ります。

活用ポイント
✔︎ 線や模様を描くときに便利
✔︎ まつ毛や髪の毛、花びらなどの細いパーツ表現にもぴったり
✔︎ 刺しゅう初心者にもおすすめ!
バックステッチ(返し縫い)
特徴
いったん針を後ろに戻してから前へ進む縫い方です。線がつながって見えるので、しっかり縫いたいときや、刺しゅうで輪郭を描くときに向いています。
刺し方
- 針を布の裏から表に出します。
- 少し先に針を入れ、そこからさらに前方に出します。
- さきほどの縫い終わりまで針を戻して入れます。
- これを繰り返して進みます。

活用ポイント
✔︎ 文字や線をしっかり見せたいときに◎
✔︎ 線画風の刺しゅうにぴったり
✔︎ 耐久性があるので、装飾以外にも実用的
チェーンステッチ(環縫い)
特徴
一目ずつ輪っかを作るように縫っていくことで、糸が連なったような模様になります。しっかりした線を描きたいときや、装飾的なステッチにぴったりです。
刺し方
- 布の裏から針を出します。
- 同じ位置に針を入れて、少し先から表に出します。
- 糸を輪にして、針の上に糸がくるように整えて引きます。
- 輪が鎖状にできたら、次の目も同様に繰り返します。

活用ポイント
✔︎ 太くて印象的な線が作れる
✔︎ 花の茎や葉っぱ、装飾模様にぴったり
✔︎ ふっくらとした立体感が出る
フレンチナッツステッチ
特徴
針に糸を巻きつけて、小さなつぶつぶを作るステッチ。目やお花の中心、小さな点などの表現にぴったりです。
刺し方
- 針を布の裏から表に出します。
- 針に糸を2回ほど巻きつけます。
- 巻いた糸をおさえながら、針先を「出した位置のすぐ近く(同じ場所すぎないよう注意)」に入れます。
- 糸を引きしめながら針を通すと、布の表面に小さな結び目ができます。

・巻いた糸を指で軽く押さえながら刺すと、形が崩れにくいです。
・針を引くときはゆっくり優しく、糸を引きしめながら通しましょう。
活用ポイント
✔︎ 目や鼻などの顔のパーツに◎
✔︎ 花の中心や水玉模様にもぴったり
✔︎ 糸の巻き回数を増やすと、より立体的になります。
フライステッチ
特徴
Yの字のような形になるステッチです。葉っぱ、動物の口、模様など、ちょっとした飾りに使われます。
刺し方
- 針を布の裏から出します。(1)
- ①の図のように、(2)から入れ(3)から出し、糸をゆるく弧を描くようにかけます。
- V字の底に針を入れて(4)、糸を軽く押さえるように止めます。
- 糸を引くと、Y字型のステッチが完成!

・糸をピンと引かず、少しふんわりとゆとりを持たせるとやわらかい印象に。
・縫い目の高さや幅をそろえると、整った仕上がりになります。
活用ポイント
✔︎ 動物の口・羽・葉っぱの模様にぴったり
✔︎ 点在させて散り模様にするのもかわいい
✔︎ 糸の色を変えると、表情豊かなアクセントに!
まとめ
このページでは、エプロンシアター®や布おもちゃづくりに役立つ基本のステッチをご紹介してきました。
初めて聞く名前のステッチもあるかもしれませんが、どれも「ちょっとずつ、ゆっくり」で大丈夫です。
縫い方に“正解”はありません。ご自身がやりやすい方法で、楽しみながらチクチクしてみてください。
完成した作品は、子どもたちやあなたにとって世界にひとつだけの宝物になります。
忙しい毎日のなかでも、針と糸を手にした時間が少しでも「楽しい!」と思えるひとときになりますように。